論文の作成には多くの時間がかかる。多くの質の良い論文を書くために、できるだけ無駄な時間を省きたいところである。 例えば、引用文献リストの作成や図表番号を自動化すれば無駄な時間の多くが省けるだろう。 ここでは、wordで論文を書く人を対象としている。latexに関しては「LaTeX2ε美文書作成入門(技術評論社)」が詳しい。 latexのほうがある程度自動化が進んでおり、きれいな数式を含む論文を書ける。 しかしながら、wordでlatexのコマンドが使えたり、式番号や引用文献を楽に管理できたりと、最近のwordの発達には目覚ましいものがあり、 wordも侮りがたい。もちろんlatexには問題点(導入ハードルが高い、校正機能がしょぼい)もあり、実際、論文を書く上での優劣はつけがたい(個人所感)。 詳細は、https://www.elsevier.com/ja-jp/solutions/mendeley/mendeley-guide
MendeleyはElsevier社がリリースしている文献管理ソフトである。無料の個人ユーザーは2GBまで、機関版だと100GBまで論文を保存・管理できる。 各パソコン、タブレットにMendeleyのソフトウェアを入れることで、クラウドを通した各端末での論文管理が可能である。wordのプラグインがあり、 様々なジャーナルのフォーマットに対応した引用文献リストを自動的に論文に挿入することができる。また、latex用のbibファイルも作成することができる。
一番左上の、"Add"のところをクリックするとマニュアルで論文(pdf)を追加することができる(図1)。 しかしながら、論文一つ一つ手作業で追加していくのは大変なので、フォルダを指定して自動で取り込みできるようにする。 Tools-optionsで設定画面が開く。Watched Foldersのタブで指定したいフォルダにチェックを入れる(図2)。 latex用のbibの出力は設定画面のBibTexのところで設定できる(図3)。 追加した論文の整理(図1)だが、左上のボックスのところでフォルダ分けができる。左下のボックスのところで、筆者やジャーナル名で検索ができる。 wordで自動的に文献リストをつくるプラグインだが、Tools-Install MS Word Pluginで追加することができる。
wordにmendeleyのプラグインを入れると、word上の参考資料のところにプラグインが現れる。 文中に引用文献を入れたいときは、Insert Citationをクリックし、キーワードで引用したい文献を探し出してOKをクリックする(図4)。 最後尾等に引用文献リストを入れたいときは、Insert Bibliographyを押す(図5赤矢印)。文中で引用した文献のみリスト化される。 引用文献のスタイルだが、図5青矢印のところで雑誌指定のスタイルを設定することができる。ない場合は、雑誌のホームページ等も探してほしい。多くの国際誌はこのスタイルファイルを作成している。 自動で引用文献リストが作成されるが、完璧にリスト化されるわけではないので注意してほしい。上付き・下付きが正しく表示されてなかったり、小文字であるべきところが大文字になっていたりする。 後者に関しては、Mendeleyのアプリで情報を正しく設定してほしい。おすすめは、doiで外部から情報を読み取ってくることである。 どちらにせよ、論文提出の前には必ず目視でチェックしてほしい。